1.崩壊剤とは?
錠剤は水とともに服用された後、胃内でその形状を崩し、有効成分が溶け出すことによって、消化管から吸収される
ようになります。
このとき、固形の錠剤が水分を吸収して、崩れやすくするために配合される添加物が「崩壊剤」です。
したがって、水を吸って膨潤し、錠剤を崩壊させ、有効成分の溶出を容易にする性質のあるものが、崩壊剤として
使用されます。
2.崩壊剤の種類
崩壊剤の崩壊パターンは膨潤(swelling)と毛管現象(wicking)、粒子変形(Deformation)、粒子間反発(Repulsion)の
4つに大きく分けられます。
そのうち、五徳薬品では、膨潤型、毛管現象型の2つの崩壊剤を取り扱っています。

(1)膨潤型(Swelling)
「膨潤」とは、崩壊剤粒子が吸水により膨潤し、その膨潤力により錠剤のマトリックス構造を破壊して、錠剤を崩壊
させる機構をいいます。
カルメロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウムなどが、
この膨潤型と考えられています。
膨潤量、膨潤速度、2つの性質のバランスによって使い分けられています。
(2)毛管現象、導水型(Wicking)
崩壊剤を通して、錠剤内部にまで水分を吸収・膨潤し、粒子間の結合力を低下させて、崩壊させる機構をいいます。
導水型(wicking)の場合、膨潤性よりも水を錠剤中に吸い込む性能が求められます。
ポイントとしては、水を吸いあげる量と、ぬれの速さが挙げられます。
一般的には、錠剤表面に均一に崩壊剤が存在している必要があるため、膨潤型(swelling)の崩壊剤よりも添加量が
多くなる傾向があります。
カルメロース、結晶セルロースは、導水型と考えられています。
比較的水溶性の乏しい薬剤に使ったほうが効果的とされています。